会計を済ませ、また入り口で立ち話をしていると 店の奥からうぐいす色の着物を着た男性がこっちに向かって歩いて来た。
担任だ。
茜が顔を上げると、担任とバッチリ目が合った。
茜も担任もお互いの存在に気がついた。
「あ、先生…」
その声に茜の両親も担任に気がついたが、両親はこの男が何者かは知らない。
「お母さん、担任の先生」
茜が母に説明した。
「こんばんわー。いつもお世話になっております、村前茜の母ですぅ」
「父です」
「はじめまして。村前さんの担任の中村です。こちらこそ、いつもお世話になってます」
そこまで挨拶が済むと、女将さんが驚いた様子で担任に問いかけた。
「開くん、茜ちゃんの担任やったん?!ほんま世界は狭いなぁー」
「はい」
「ツル乃さん!開くんは、師範の息子なんですよ」
女将さんが、そう 母に教えた。私は昨日会ったので知っていたので驚かないが、母は大そう驚いていた。
「師匠の?!まぁ・・・」
母は驚きすぎて、すぐには言葉が出ないようだ。
「でも、言われてみれば、師匠に似てるかなぁ・・・」
「よく言われます(笑)」
父は師範を知らないので、あまりぱっとしない様子だ。それに父にとっては娘の担任以外の何ものでもない。
「これからも娘共々、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
担任は普段私と話すときとは、全く面持ちが違っていた。
きちっと着物を着て、礼儀作法をわきまえ、愛想の良い担任は、両親の目に悪く映るはずがなく、父も母も気に入ったようだった。
そういえば、女将さんは担任のことを“開くん”と呼んでいた。
担任にとって女将さんは、継母になる。
担任は女将さんのことを、どう思っているのだろう・・・。
本当の母親とは今でも会っているのか・・・?
そもそもなぜ、本妻を捨てた父親と一緒に居るのだろうか?
私は担任の家庭には全くもって関係ないが、少し気になった。
担任だ。
茜が顔を上げると、担任とバッチリ目が合った。
茜も担任もお互いの存在に気がついた。
「あ、先生…」
その声に茜の両親も担任に気がついたが、両親はこの男が何者かは知らない。
「お母さん、担任の先生」
茜が母に説明した。
「こんばんわー。いつもお世話になっております、村前茜の母ですぅ」
「父です」
「はじめまして。村前さんの担任の中村です。こちらこそ、いつもお世話になってます」
そこまで挨拶が済むと、女将さんが驚いた様子で担任に問いかけた。
「開くん、茜ちゃんの担任やったん?!ほんま世界は狭いなぁー」
「はい」
「ツル乃さん!開くんは、師範の息子なんですよ」
女将さんが、そう 母に教えた。私は昨日会ったので知っていたので驚かないが、母は大そう驚いていた。
「師匠の?!まぁ・・・」
母は驚きすぎて、すぐには言葉が出ないようだ。
「でも、言われてみれば、師匠に似てるかなぁ・・・」
「よく言われます(笑)」
父は師範を知らないので、あまりぱっとしない様子だ。それに父にとっては娘の担任以外の何ものでもない。
「これからも娘共々、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
担任は普段私と話すときとは、全く面持ちが違っていた。
きちっと着物を着て、礼儀作法をわきまえ、愛想の良い担任は、両親の目に悪く映るはずがなく、父も母も気に入ったようだった。
そういえば、女将さんは担任のことを“開くん”と呼んでいた。
担任にとって女将さんは、継母になる。
担任は女将さんのことを、どう思っているのだろう・・・。
本当の母親とは今でも会っているのか・・・?
そもそもなぜ、本妻を捨てた父親と一緒に居るのだろうか?
私は担任の家庭には全くもって関係ないが、少し気になった。