案の定、扉が開いているのは私の部屋だった。
悲鳴を聞いた母も、私と同着くらいにキッチンから私の部屋へ移っていた。

まず一番に目に入ったのは、ベッドの隅で、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしたえりなだった。

「「どないしたん?!」」

母と私が同時に問う。
絵里奈は目をまん丸にして、正面を指差していた。
指差した先には、掛け布団を頭からかぶった人が倒れている。

母がその人を大声で怒鳴った。

「せやから、ちゃんと確認せぇってゆうたやろ!!」

倒れていた人が起き上がり、布団を脱いで絵里奈に頭を下げた。

「ほんま、すまん!!」

父だった。

まさかの父だった。