家に帰ると、電気を点ける前に電話の留守電表示が点滅しているのが見えた。
『誰だろう?』と思いながら電気を点けた。
絵里奈を居間に通してから、そのボタンを押してメッセージを聞きながらキッチンに立った。

声の主は母の華道のお師匠さんの息子さんだと、電話のスピーカーが言っている。
再来週行われる華道の展覧会の開催場所変更とのことだった。
忘れないようにメモし、電話台の目立つところに貼った後 念には念をと母に電話した。
『留守電を残しておいて』とのことだったので、メッセージは消さずに料理に取りかかった。

絵里奈が「CD聴いてもいい?」と聞き、私が答える前に さっき買ったCDをさっそくプレイヤーにセットし、再生ボタンを押した。
ノリの良いROCKで、私は大好きだ。
2人で歌いながら夕ご飯を作った。
何品も作るのは面倒なのでカレーとサラダだけ。余れば明日も食べられる(笑)
というよりも、絵里奈と2人だけでご飯を食べるときはたいていカレーだった。
煮込むのに時間はかかるが、カフェに寄ったとき、頼んだ紅茶を飲み干してきたので 今すぐ食べたい、というほどお腹も空いていなかった。
煮込む間は宿題をさっさと済ませて風呂に入った。
時間も もう遅いし、明日は休みということもあり、今晩うちに絵里奈を泊めることにした。

そうこうしているうちに、カレーも煮込みあがり2人で美味しくいただいた。
気分よく作ったせいか、久しぶりに人と一緒に晩ご飯を食べたせいか、本当に美味しかった。
絵里奈と一緒にカレーを作ると、なぜか普段より美味しく感じる。