「じゃあ、そう言う事なんでナオ君!色々想うところはあると思いますが善は急げと言いますし!親子間の問題は当事者同士で解決してください!それではいきますよー!」

そんなナオトをよそにヒロシは握りしめた右拳に力を込める。すると、彼の全身が青白い光を放ち始めた。

「ちょ!ちょっと!何するつもりだ!?親父!?」

「……ナオ君。キミを本来、在るべき世界に還します。ご両親としっかり話してきなさい。何故キミがこちら側に居なければならなかったか。そして、その目で確かめて来るのです。世界の本当の姿を。」

そう静かに呟くヒロシ。彼の身体から放たれた光が一層輝きを増す。

「……時の神ヒュート・ロノ・サーシの名において命ずる。時の扉を解放し彼の魂を在るべき場所へと導け。 ヒュート・ラナ・エスターチ《時空転成》!!」

そして、彼の拳から放たれた青白い閃光にナオトの身体はゆっくりと包まれていった。