それから一週間、姫とママはお見合いに向けててんやわんやで準備を進めた。


年の割に若く美人な母のおかげで、外面的にはほとんど問題ない。


「お見合いといったら、やっぱ振袖よ」


「いや、でもカジュアルスタイルも逃せないわね」


「うーん、こっちの方がしっくりくるかしら」



主にママが楽しそうに衣装を揃えて、姫はそれを着る係り分担になってしまった。


私のお見合いじゃないの⁉︎


しかし、本当に楽しそうな母を見ていると表立って反論もできず、しかもセンスがいいのでそのまま任せっきりになってしまう。


世間一般のお見合いってこんな感じなんですか…


世間一般とはだいぶかけ離れた姫はそうとも気づかず、そう涙目になっていた。



なぜかそれをなだめる役になっていた新執事、奥寺はわけ知り顔である。