「なに? 友達できた?」 やってきた奥寺は姫の頭を撫でる。 サラサラの髪が奥寺の指に絡み、はたから見たらかなりバカップルな状況だが、当事者二人は気にしていない。 「いえ、花蓮さんはさっき話しかけてくれただけで」 「えっ、友達になってくれないの?」 花蓮が横合いから口を挟む。 姫は花蓮をしみじみ見返す。 「…友達になってくれるの?」 「当たり前じゃん!」 そのあと、姫は大喜びで花蓮に抱きつき、せっかくやってきた奥寺が休み時間いっぱい放置されたのは言うまでもない。