直後の教室は、まさに嵐が過ぎ去ったという表現がぴったり当てはまる静けさだった。


「あのぉ、」

「は、はいぃっ」


さっきまで姫を囲んでいた女子生徒の一人がおずおずと姫に話しかける。


「問い詰めたりしてごめんなさい。奥寺さまがいいというのなら、私たちには何も言えないわ」

「?」

姫の頭の中は、疑問符だらけに。


一体、奥寺蓮という人間は何様なのだろう?


そんな質問を受け付けないかのように、クラスメイトは一人残らず席に戻ってしまった。


「?」


ますますよくわからなくなった。