シツジ ✖︎ オウジ ⁉︎



「ゔっ」


っと言葉につまる姫。


「だから、あなた専門の執事として、奥寺蓮を用意したの」


感謝してよね、と言い切った兵司さんをまえに、姫は一人うなだれた。













「お嬢様」


部屋に案内された姫は今、奥寺と二人きりである。


なんか、前と雰囲気が違う…


姫に付いてきた加宮は本家の事情で帰る事になり、姫の面倒全般は奥寺が見ることになったのだ。


「はい…」


見知らぬ土地に一人残されることになった姫は、心なしか不安げである。


それもそのはず、兵司さんは月曜日から仕事で街に戻ってしまうし、奥寺も現役高校生だということなので学校に行ってしまうのだ。


さすがに不憫に思ってくれた兵司さんの計らいで、姫が新しい学校に転入するのは5月になってからということになった。