このままじゃだめだ! という決意のもと、ひめが部屋から出てきたのは梅も散りきった四月の三日のことだった。 少しやつれたような姫は、以前にも増して儚く、さらに美しくなったようだ。 殺到していたお見合い話も、姫の父がかたっぱしから蹴飛ばすのでほとんど来ない。 ようやく部屋から出てきた姫に、あまいあまい両親と兄は喜び、使用人たちもやっと日常に戻る、と一息ついたその頃。 決定的な事件が起きた。