「今日はごめん」




勇気を出して言ったのに。



「・・・別に」




会話、終了。




ちょっと、何か言ってよ‼︎




心の中の口は達者なのに、いざ現実では言葉さえ口に出せない。





でも、でもこの重い空気には耐えらんない・・・






頭の中がカオス状態になっているなか、家が近づいていると気づいたのは私にしては上等だ。






「もう大丈夫だよ!家ももう近いし」





重い空気から逃げるために。もう一つの理由を隠して立花にお礼を言う。





何も言わない立花にお礼の言葉だけ募らせて、走って家に帰ろうとしたのに。






「今日は送ってく」






有無を問わない立花の声。そんな声で言われたら、甘えそうになっちゃうじゃん。






「・・・いいっ・・・」






「あれぇ?結希?」





望美のスッと胸が冷めていくのが分かった。






「望美・・・」






隠していたもうひとつの理由。






自分でも凄く情けない。





実の妹にこんなに怯えてるなんて。





「望美って御堂の妹の・・・」




「はいっ‼︎御堂望美ですっよろしくねぇ‼︎立花君‼︎」





「ああ」






そっから家までは3人で行って。





家に着いた時、望美が







「『お姉ちゃん』先に家のなか入ってるね」





背筋がゾッとする。




望美が家の中に入って行くのを見て、身体の力が抜けそうになった。