両親は、愛こそ私にくれなかったけど、他の物は沢山くれた。





お小遣い、本、文房具、沢山の物を。





愛以外の沢山の物を。




ううん。違う。くれなかったのは愛だけじゃなかった。




自由もくれなかった_____





小さい頃、私と望美は同じ習い事を習っていた。




ピアノに習字、進学塾に水泳、華道、茶道・・・





自分で言うのもどうかと思うけど、そのほとんどの習い事が、双子2人で比較すると私が完璧に上達していった。




ピアノでは望美が子供用のバイエルを弾く中、私は大人用の練習曲を弾き、習字では望美が級のなか、私は段に入り、進学塾では、中学受験を前提とした勉強をして、望美は1番下のクラスにいるなか、私は1番上のクラスの紅一点となった。






全て沢山努力して手に入れた結果だった。





でも望美はそのことを気づいているのかいないのか、私に劣った習い事は親に辞めたいと言った。





親もその事を了承し、私も望美と一緒に習い事を辞めさせられた。



どれだけ抗っても。