赤糸~新撰組の飼いがらす~


――ガギィン

と、凄まじい音が、静かな京の都に響き渡った。



キラリと月の怪しい光に照らされる、二つの刃。

それは、土方とからすの

刀だった。




「おいおい。からすの力はこの程度かよ。やっぱり女という事実は
変えられないようだな」

「なっ!テメェ!」



からすの力が強まり、土方の体がぐぐっと後方へ下がる。


土方の言った事は嘘だった。

からすの力は弱くなんてない。

土方でさえ、油断すればさっきのように吹っ飛ばされる。



しかしどうしても、本気でやり合いたかった。

殺し合いじゃない。

むかし、必死に木刀を振っていたあの頃のように。


本気の「試合」がしたかった。