赤糸~新撰組の飼いがらす~




「なんだ…あれ」


「からす、ですよ」




からす。


彼が黒い鳥を指しているのではないと、空気で察する。



『それ』は確かに、真っすぐ自分にたちへ近づいてきていた。


しかしまだ、姿形がはっきりしない。塊にしか見えない。




だがそれは、フラフラと己のカラダを左右に揺らしていることが分かった。


千鳥足、というやつだ。


なんだ?酔ってるのか?