だんご虫ヒーロー。【番外編集】







最後は篠山一家。
今日はお父さんの格好であるお父さんは、お母さんの遺影を持ちながら号泣。
そんなお父さんの隣にいるお姉ちゃんは、スマホ片手に連写。






一番まともな嘉子は、笑顔で拍手をしてくれている。






みんなを見ていざ壇上に上がろうとしたら、嘉子の隣にいる人物に足を止め口を手で覆う。






嘉子の隣にいたのは黒い着物を身につけ、このドレスを一番見せたかった人の遺影を持つ女性。






涙を流しながら微笑んでいたその人は、彼方のお母さん・おばさんだった。
彼方の遺影はあの時の彼方で、目に涙が溜まる。






もしかして、夕里がコソコソして招待状を出したのっておばさんに…?






そう思って夕里を見つめると、夕里はまたサプライズが成功したかのように無邪気な笑顔を見せた。






メイクが崩れるから泣かないようにしてたのに、ここで限界だった。
一筋の涙を流し、それでも私はおばさんと彼方の遺影に体を向けて笑顔を見せた。






彼方、そこから見てる?
あなたの好きな李色のドレスを着たよ。






隣にいるのはあなたじゃないけど、このドレスを着れて、私はすっごく幸せ。






この幸せな気持ちを、私の花嫁姿をあなたに見せられてよかった。






彼方、私はこの日を一生忘れない。






だから彼方も私の晴れ舞台、忘れないで。
忘れたら許さないから。






大切な人達に祝福され、愛しい人と微笑み合いながら、






私はここに、永遠の愛を誓った。






特別番外編、前編end