フローリングを見つめてどうするべきか考えていたら、二人の笑い声が聞こえてきた。




な、なんで……




「なんで笑ってるの!?笑い事じゃないよ!?
嘉子が妊娠して子供ができたのに、なんで笑うの!」




特に夕里!
と言う思いを込めて夕里を指差した。




夕里はお腹を抱えて笑っている。
嘉子も同様。




真面目に考えていた私を馬鹿にするように笑って!
またチャラ男って言ってやりたくなった。




「…ごめんごめん……だってそんな考えになるなんて……ふっ…思わないから」




頬を膨らませて怒っていると、夕里が目に溜まった涙を拭いながら私を抱き締めてきた。




そして寝癖を直すように、私の髪を梳く。




そんな風に優しくされたって機嫌よくならないから。




そして笑いが収まった嘉子が涙目で説明してくれた。




「私は結婚しないし、妊娠もしてないよ?
この結婚式はお母さんとお父さんのだよ」


「…嘉子を結婚させるわ………え?」




今までの怒りがどこかにいってしまった。
嘉子、私と夕里の結婚式って言ったよね?




訳が分からずに夕里を見る。
夕里は私を抱き締めたまま、微笑んでいる。