玄関を出ると家の塀に寄りかかる2人組が見えた。




「…おはよ!祐!優!」




朝一の笑顔を二人に見せる。




すると次に飛んできたのはゲンコツ。




「…何が『おはよ!』だよ!どんだけ待ったと思ってんだ!
いつもいつもヒトを待たせやがって」




「まぁ、落ち着きなよ、祐。カコが遅いのはいつものことだから」




私にゲンコツをする祐はいつものように怒っていて、それを落ち着かせる優はいつもフォローになってない。




尾口祐に尾口優。
この二人はお母さんの親友の綾女さんと、お父さんの親友の航平さんの子供。




両親同士が仲良いから、私と祐と優も小さい頃から一緒にいた。




祐は航平さんみたくチャラくて、優は綾女さんみたいにしっかりしてて優しい。




そんな2人は高校二年生。




毎朝こうして私をお迎えに来てくれる。




そしてこの2人だけは私のことを「ヒロコ」じゃなくて、「カコ」と呼ぶ。