「…ったく。嘉子の部屋にいきなり入るなんて、何考えてんの」




痛い痛いと言って抱きついてくるお父さんを、お母さんは軽く引いてる。




「…だって嘉子が学校遅れたらあれだから、起こしに……」




「思春期の女の子の部屋に父親が入るものじゃないの」




痛そうにしてる頭をお母さんはチョップして止めを刺した。




この親バカは、私のお父さん・芹田夕里。




私が産まれてから、ずっとこんな感じの親バカになったらしい。




そしてこのしっかりとしたのが私のお母さん・芹田李。




お母さんは本当にしっかりしてて、私の憧れでもある。




そんな2人の娘であるのが私・芹田嘉子、14歳。




毎朝見るこの光景にも飽きてきた。