「…家族は誰かに愛されて、誰かを愛する存在……だろ」




覚えててくれた。
俺があの時言った言葉を。




嬉しくてついりかを抱き締める。




「…お、おい!離れろ!加齢臭がうつる!」




36歳の夫にそれ言うか?




りかは夫の俺にはいつもこんな感じ。




でもいつも感じるのは"愛"




これもりかの愛の形。




俺がりかを愛してても、りかが俺を愛してないと家族にはなれない。




りかが俺を愛してくれているから、俺達は夫婦に、家族になれた。




そう思うと、このじゃれあいも愛なんだよな。




ギュッと抱き締めれば、大人しくなるりか。




そしてギュッと抱き締め返してくれる。




「……りか。これからもずっと家族だからな?」




りかの耳元で囁けば。




「…当たり前だ」




なんて返してくれる。





りか。
今まで1人で強く生きてきた分、今度は一緒に強く生きよう。




2人で歩けば最強だな。




そんなことを思いながら、半日はりかとベッドの中で過ごした。




番外編3 end