カコンッ




頭を何かで叩かれ、目が覚める。




「おい、いつまで寝てんだ。早く起きろ」




叩かれた頭を押さえながら目を開けると、りかがお玉を持って仁王立ちしていた。




休日はいつもこんな感じで起こされる。




あれは夢だったのか……?




懐かしい夢だった。
りかと早苗、花織と出会った頃のことを夢に見るなんてな。




そういえばりかは覚えているのか。




俺があの時言った言葉を。




「……早く起きろよ。味噌汁が冷め……っておい!」




りかの腕を引っ張り、ベッドへ引きずり込む。




警戒してなかったりかは簡単にベッドの中に入ってきた。




「…いきなり引っ張るなよ!…ったく」




迷惑そうな顔をしていても、抵抗していないりか。




あの頃だったら殴りかかってきたな、きっと。




中学、高校と髪を短くしていたけど、今はすっかり伸びて胸まである。




変わらないのは、金髪というだけ。




「…りか。覚えてるか?
中学の時に俺が言った家族のこと」




優しく微笑んでりかに尋ねる。




りかは驚いていたけど、やがて頬を赤くした。