資料には黒髪が時田花織、茶髪のギャルが徳永早苗、そして金髪ショートが武井りかと書かれている。




目撃者の情報によれば、暴力行為をしたのは武井りかのみ。




あとの2人は警告という意味での補導、か。




上司の掴んだ情報はこれだけか。




「…それで、君はなんで暴力行為なんてしたんだ?」




武井りかを真っ直ぐに見つめる。




いきなり注意するのはダメだ。




まずは暴力をした理由から聞こうとした。




「ちょっと!あのじじいといい、りかが悪いことしたみたいに言わないでくれる!?
先に攻撃してきたのは相手側なんだけど!」




徳永早苗が勢いよく立ち上がった。




表情からすごく怒ってるのが分かる。




「や、だから俺はどうして暴力をしたのか聞きたいだけなんだ。
別に君達が悪いとは言ってない」




「でも最終的には私達が悪い、だから次からは気を付けろとか言うんでしょ?
だったら暴力した理由聞いたって、無意味じゃん!」




「早苗、落ち着いて」




時田花織の言葉によって、徳永早苗はパイプ椅子に座った。




なんだ、こいつらは。




何を言われるのか分かっているように反抗してくる。




頭の回転が速い。




そして何よりも互いに互いを支え合ってるように見えた。




確かに理由を聞いても、結局は暴力はやめろと注意する。




それなら理由を聞かなくとも注意だけすればいいのかもしれない。




でも。