それで飲み会に出ていたんだ。




じゃあ、残業も飲み会も全部私のために?




「……どうしてそこまで無理して……」




航さんの手を握る。




航さんは私の目に溜まった涙を手で拭ってくれた。




そして笑顔で答えてくれた。




「…言っただろ?俺の人生全てをかけて綾女を幸せにするって」




それは、プロポーズの言葉。




19歳の時に航さんとデートしてた時に、言われた。




貸切状態の教会でプロポーズされた。




そして紙袋の隣にあった箱にはケーキが入っていて、チョコに『綾女、愛してる』とチョコで書かれていた。




ズルいよ、1人でこんなに素敵なこと計画して。




私なんかハンバーグしか作ってないよ?




見栄張ってそんなバラの花束なんか買っちゃって。




本当にガラに合わないよ、バカ。




だから、嫌いになれないんだよ。




こんなに私のこと思ってくれてるから、私だってこんなにも航さんのこと思ってるから、嫌いになれないんだよ。