確かに、ほんの少しだが、地面に誰かの足跡が残っていた。

「俺らの先に、誰か来たんじゃないのか?」

「いや、それはない。俺とお前以外、みんな一緒の高校に行っているのだからな。」

「・・・は!?そうなのか!?」

俺は驚きのあまり、増崎から落ちてしまった。

でも、今は痛いなんて言ってる場合ではない。

「なんでお前もその高校に行かなかったんだよ!!」

「落ちた」

「・・・あ、そう」

あきれる俺をよそに、増崎は話を戻した。

「とにかく、だ。あいつらは今日遠足かなんかの説明会で少し遅くなるそうだ。
こんなに急いで来た俺たちより前に来れるなんて、おかしいだろ?」

「・・・なんで急いだんだ?」

「俊と一発プレイを・・・・・っ、ゴホン!今日の予定を考えようと思ってだ」

今一瞬本音が出かけた増崎に、

「別にそんな堅苦しいことしなくても、ボーっとしているだけでも充分じゃないのか?
昨日もなんやかんや言ってそれなりににぎやかだったし・・・」

と、我ながらに真面目くさく答えた。