俺は、前回あんなに秘密基地に行くのが嫌だと言っていたのに、雨雲の下で、自分の足がその秘密基地に向かっていることに今気づいた。

・・・いや。自分の足じゃない。

運ばれている・・・?

そう思った俺は、そっと下を見た。

「あっ。起きたか?俺の王子様☆」

増崎が最高(最低)の笑顔を向ける。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は思わず口を押えた。

運ばれている振動と気持ち悪さで今にも吐きそうだ。