そう、今日は流明が帰る日。

みんなに伝えるのをすっかり忘れていて、こんなことになった。

「流明。みんなにお礼言いなさい。」

母さんが流明にそう言った。

「・・・ありがとうございました・・・・・・」

流明は半泣き状態でそう声を振り絞った。

「も~う。流明ちゃん、泣かないでよぉ~」

莉愛よ、こういう場面は、そう言われると一番泣きたくなるのだ。

「う・・・うわあああぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

ああ、ほら見ろ。大泣きだ。

泣きながら、流明は俺ではなく咲に抱きついた。何故だ!?

「咲ねえちゃん~・・・。また遊びに来てもいい?」

「うん。もちろん!」

流明は、クールになってからの咲を知らない。

だから、こんなにも違和感なく接することができるのだろう。