何かが見えた。

そう、“何か”なのだ。

それがタカトッキーから流明へと手渡されていた。

銀色の容器でコーティングされた“それ”は、すぐさま流明のポケットへと入れられた。

その銀色の容器から、規則的に突起が出ており、その中に本体が入っている“それ”は、俺・・・いや、誰でも知っているものだ。

この世で知らない人はまずいないだろう・・・。

“それ”・・・・・・・・・薬物を持った流明は慌てて寮のある方向へと帰って行った。

タカトッキーもその後に続いてその場から離れていったが・・・

俺はその場から動くことができなかった。――――――