「なあ。また退院したら、昔みたいに遊ばないか?」

俺が“あいつ”に訊くと、しばらくの無言のあと、

「・・・それは無理」

とあの無慈悲な表情を浮かべて言い放った。

「な・・・なんで!?」

珍しく流明が叫んだ。

「・・・私・・・。・・・なんでもない」

俺はそんな彼女を見て、あることを尋ねた。

「なあ、なんか悩んでるんじゃないか?」

そう訊くと“あいつ”は一瞬顔をしかめたが、すぐにいつものあの無慈悲な表情に戻り、

「そんなことない」

と呟いた。