「俊・・・。急に咲ねえちゃんのところに行くって・・・どういう風の吹き回しだ?」

流明が“あいつ”へのお見舞い品を買っている俺に向かってそんな質問を投げかけてきた。

「別に・・・・・・。ちゃんとケリつけないとと思ってな」

友達は、この世でなくてはならないものだと思う。

それが突然いなくなってしまうと、先ほどの俺のように放心状態に陥るかもしれない。

あるいは、生きるのが辛くなるかもしれない。

もしかしたら、また新たな友人を作ろうと努力するかもしれないが、それはとても難しくて困難な事だ。

そんなにホイホイと心から信頼できる友人なんてできるわけがない。

できたとしてもうわべだけの、ただ楽しいだけの知人しかできないだろう。

信頼できる友人は、長い時間をかけて作っていくしかない。

お互いの本当の姿を認め合ってこそ、できる事だと思う。

かつての俺と“あいつら”もそうだった。

今のあいつらは転校して、帰ってきた俺が知っていた“あいつら”とは全くもっての別人で・・・。

それでも俺があいつらと今までの関係でいようと思えたのは、あいつらの事を、今の現状を、性格を受け止めたのもあるが、まず一番に昔からの親友・・・いや、信友だったからだ。

心から信じていたからこそ、ガラリと変わってしまって許せないところもあった。

けど同時に、それを受け止める勇気もできた。

俺はあいつらと友達になれて、本当によかったと思う。