「つまり、咲さんは記憶を失った・・・。記憶喪失。そういう事ね?」

「・・・」((コクッ

俺は静かにうなずいた。

「相当精神的に追いやられていたか・・・あるいは本当に事故のショックで・・・」

真剣に考えるタカトッキーを見て、俺は少し嬉しくなった。

この人なら、俺の悩みを全部聞き入れてくれるかも・・・・・・

「タカトッキー。俺・・・」

「俊ー!!」

俺は、自分を呼ぶ声で言葉を止めた。

「増崎!」

「俊ー!ここに居たのか!!」

増崎が必死に走ってくるのを見て、俺もタカトッキーに礼を言ってから駆け寄る。

「ありがとう!タカトッキー!ちょっと元気になったよ」

俺がそういうと、彼女はにっこりと笑顔を浮かべて、

「よかったわ」

と言った。

・・・気のせいだろうか?
誰かの舌打ちが聞こえたのは・・・