ちょう普通だったミンナが変わってしまいました。

「・・・なんで?」

そう訊くと、咲は立ち止まった。

「お前はあたしの事を忘れたい出来事ができた。けど・・・。あんたの妹は・・・流明ちゃんはそんな出来事なんてない。だから、もしかしたらあたしの事覚えてて、思い出話に夢中になって、ふとしたところであのことが出てくるかもしれないから・・・」

「どうしてあのことが出てきたらダメなんだ?」

「あの時みたいに・・・またお前が離れてしまうかもしれないから・・・」

俺はその言葉を聞いて、なんと言っていいかわからなかった。

「あの時・・・すごく怖かったんだよ・・・。唯一信じてた人に、嫌われたって思うと・・・。凄く恐ろしくなった。」

咲はずっと我慢していた涙をポロポロとこぼした。

それを隠すために後ろを向いて、また話し始めた。

「お前が道路に飛び出したとき、一瞬で分かった。俊だって。でも、お前はやっぱりあたしの事覚えてなかった。でも、それでもよかったんだ。

お前が昔のように接してくれたから。」