咲はしばらく黙っていたが、決心したように口を開けた。

「お前の妹に会ったら、・・・・・・るかもしれないから。」

「え?なんて?何言ってるか聞こえなかった」

「はい。ちゃんと言いましたー!もういいだろ?んじゃあな」

そういうと咲はお得意のダッシュでその場から離れた。

「ああ・・・ったく。結局あんまり理由聞けなかったな・・・。っていうかあいつ・・・本買ってないんじゃ・・・それに流明がなんちゃらって・・・」

俺は、そこまで言うと、

「ま、いっか」

と呟き、寮へ帰った。


・・・いや、帰ろうとした。