「だから、ここで、大声で叫べってんだ。“ごめんなさい僕が悪かったです”って。」

「な・・・なんで?」

「なんでって、そう言わないとお前の妹は出てこないぞ?それでもいいんなら叫ぶ必要ないけど。」

「待って!!咲さん待って!!あなたのとても冴える頭で、もっといい方法考えていただけたら・・・」

「そんなの自分で考えろ。あたしは知らない。」

くそう!!咲に訊いた俺がバカだった!!!

「どうすんだ?時間だけが過ぎていくだけだぞ?」

空を見ると、雲の裂け目から、赤く染まりかけているのが見えた。

「う~ん・・・仕方ないか・・・。なぁ咲、ここにずっといてくれないか?」

「は?」

「いや・・・。一人で叫んでたら完全に変な人じゃん?」

「実際変な人じゃん。」

変じゃないっっ!!確かに変な人とは交流してるけど!!

「・・・コホン。とにかくよろしく頼むよ。咲しかいないんだ。」

それを聞くと、咲は顔を耳まで赤くして、

「・・・!!んな事言われたら・・・。断りにくいじゃんか・・・」

そう言ったきりうつむいてしまった。

「(よし・・・!!作戦成功!)」

さっきのやりとりで学んだこと。咲はこんな感じで頼りにされると断れない!!