「・・・。ここのはずなんだけどなー・・・」

そう言って連れてこられたところは、俺と咲が話した草むらだった。

「こんなところで・・・。っていうか、お前いつもここに居るのか?」

「・・・ああ。お前には関係ないけどな。」

なんかそっけないなぁ・・・。

俺はつれない咲を放っておいて、辺りを散策する。

「どこらへんで見たんだ?」

「ここらへん。」

「いや・・・。だから・・・。まあいいや。」

俺は咲が言う“ここらへん”で流明の名前を呼んだ。