俺はその姿を見て、何かを思い出せそうで思い出せない。

「・・・やっぱり、“咲”だな。笑顔が可愛い。笑みが咲くっていう意味で咲なのか?だとしたら名前通りだ。」

と俺は優しく囁いた。

こいつが笑ったら俺も自然に表情が緩む。

すると咲は一瞬顔を赤らめ、

「お前、それナンパだから。」

と言って俺の顔にパンチを繰り出した。

「ってぇ・・・全く男子ってひどい扱いだよな。ちょっと感情口に出しただけですぐこういう事される・・・」

「お前らが変な事考えてるからだろ?」

「なんだよー。女子だってこれ可愛い!!とか言うじゃんかよ・・・って、お前はそんなこと言わないか。」

「今何か言ったか?」

「いえ、何でもございません」

からかうのはここまでにしておこう。命が危ない。