「い~よっ!!なんだぁ~?釣れない顔して~♪昨日はサンキュな」

空気を読まない、the KY(増崎)が俺の肩をポンッと叩く。

「・・・いてぇ。」

俺は、昨日の事に対してあまり触れないためにそう言った。

いや、なんか照れるんだよ・・・。

くそ、これが増崎が言う、“ツンデレの王子”なのか?

「え~?軽くやったつもりなのに・・・」

こいつ自身自覚はないようだが、結構な怪力の持ち主だ。

流明に、拳法やらないかと、何度も誘われてたのに、こいつは「俺恋に忙しいから」とか言って断っていた記憶がある。

「まぁいいや。一緒に登校させてもらうぜ☆ボクのダンナ☆」

こいつといるとろくなことがない。

寮が学校のすぐ近くにあればこういう事(いわゆるナンパ)もなくなるんだろうけど、ちょっと遠いからなぁ・・・