「本当にいいのか?このことを言うのは俺自身すげえ悩んだんだけど・・・・莉子、お前には俺がついてるし哲也さんもついてる・・・それに沢山の友達も全部お前の味方だから・・・
それだけは覚えとけ、全部自分一人で抱え込んだりすんな」



蓮はそう言うとあたしを抱きしめたままそっと髪を優しく撫でる



あたしが黙って頷くといいこだ・・・と言いながら再び髪を撫でてきた




それだけのことなのにあたしの心は不思議と穏やかになりお母さんのことを聞く心の準備が出来たような気がする




蓮は溜息をひとつつくと静かに話し出した



「莉子の母親、高遠莉恵さんは今隣町のA市に住んでる・・・・」



え・・・・っA市って・・・A市って物凄く近くない?



そんな近くにお母さんは住んでるの・・・?




あたしは動揺を隠せずに抱きしめたままの蓮の腕の中からそっと離れると蓮の瞳をじっと見つめた



もっと遠い所に住んでるんじゃないかって思ってたから予想外に近い所に住んでて驚きを隠せなかった



「そんな・・・・近くに住んでるんだ・・・」




「ああ・・・・俺も驚いた、てっきり県外とか下手すりゃ海外も視野に入れてたから・・・・
拍子抜けするくらい驚いた」




蓮が苦笑いしながら呟く・・・・でもそんなに近くに住んでたんだったらすれ違ってたりとか
あったんじゃないかな?




咄嗟にそんなことを思ってあたしは率直に蓮に疑問をぶつけた



でも、その後に続いて放たれた蓮の言葉にあたしは愕然としてしまう