「ふっ・・・・なんだかんだ言って蓮は茜ちゃんと玲奈ちゃんの頼みは断れないみたいだね」




黙って一部始終を見ていた涼くんが鉛筆をくるくる回しながら呟いた



隣に座る拓巳くんもくすくす笑いながら頷いてるし・・・・




あたしも同感だと言いながら二人の方を見て頷いた



色々あったけど幼馴染の茜ちゃんと亡くなったお母さんの親戚にあたる玲奈ちゃん



口に出して言わないだけでとっても大事な存在だってのが伝わってくる



呆れたように頬杖ついて教えてるけど蓮の瞳はどこまでも優しい



その優しい蓮の態度が・・・・なんかおかしいなんて思ったのはやっぱり気のせいなのか?




あたしは玲奈ちゃんと茜ちゃんに勉強を教えている蓮の姿を食い入るように見つめた




こうやって見ていると変な様子なんてどこにもないんだけどな・・・・




「蓮もあの二人に教えているときは容赦ないよね?かなりスパルタ入ってるし・・・・」




「ふふっ・・・・そうだね、ホントに容赦ないって感じ」




あたしが笑いながら呟くと拓巳くんは教科書に目を走らせながら小声で囁いた



「でも・・・・この頃の蓮やっぱり変なんだ、なんか悩んでるみたいだしさ・・・・聞いても
なんでもねえの一点張りだし、ねえ莉子ちゃん・・・莉子ちゃんになら話すかもしれないから
帰りにでも聞いてみてよ?俺・・・なんだか心配なんだよね頼むよ」



拓巳くんのお願いにあたしは快く頷いた



長年一緒にいる親友の拓巳くんがこんなに心配してるんだもんあたしが聞きださなくちゃ