続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々

この頃なんだか蓮の様子が変だ



いつもと同じように振舞って涼くんたちや茜ちゃんたちとはふざけたりしているけれど・・・



なんだかふとした時に見せる表情がとても沈んでいるように見えた



時折考え込むような仕草をしていたりあたしをとても辛そうに見つめていたりすることもあったりして・・・・



あたしはアメリカに行くことに不安を感じているのか、それとも離れることが辛くてそんな顔をしているのかどちらかなんだろうって安易に考えて・・・・



蓮の本当の苦しみなんて全くわかっていなかった




あたしのお母さんのことで苦しんでいたなんて・・・・悩んでいたなんて・・・



そんなことも知らずにあたしの気持ちは夏休みへと飛んでいた



蓮がアメリカに行くにはまだ時間がある




とりあえず目の前にある試験を頑張って補習になんないようにしなくちゃ・・そう思っていた



あたしはノートを開いて教科書の問題に目をやった



苦手な数学の問題に取り掛かる



この問題はたしか・・・・「この公式を当てはめれば簡単だ」




えっ・・・・隣に目をやるといつの間にか鉛筆を持った蓮の姿




「ほら、やってみろ!」 「あっ・・・うん!」




いつも通りの蓮にほっとしてあたしは数学の問題を解く



蓮の様子が変なんて思い違いだよね・・・そう自分に言い聞かせながら教科書に目を走らせた