バタバタと駆け足で入ってきた二人はたぶんここが図書館だってことを忘れてるんだろう



あたしと拓巳くん、涼くんの姿をみつけると満面の笑みを浮かべながら大声で莉子って叫んでる



ってか・・・・恥ずかしいけど・・・あんなに慌てて二人ともどうしたんだろ?




あたしが怪訝な顔を浮かべていると二人はきらきらとした笑顔を浮かべながら目の前に座る




茜ちゃんがスマホを握りしめながら身を乗り出すようにしてあたしに話し出した




「ねえ、ねえ夏休みさあ・・・・皆で泊りがけでキャンプに行かない?」




「キャ・・・・キャンプ?」





「そう!キャンプ!!でもあたしキャンプなんて行ったことなんてないし玲奈にも相談したんだけどさ・・・玲奈もずっと入院してたりしてそんなとこ行ったことなんてないしふたりで途方に暮れてたんだけどさ~で、さっき紗枝子からメールが来てさ~何気なくキャンプのこと相談したら自分のところのキャンプ場紹介してくれるっていうからもう嬉しくって急いできたんだけど・・・・・」



茜ちゃんはやっぱりここが図書館だってことを忘れていたみたいでマシンガントークを繰り広げていたけれどようやく自分が注目を浴びていることに気が付いてしだいに声が低くなっていく



周りのひとは驚いたようにあたし達を見ていたけど涼くんたちが静かにって茜ちゃんたちに言うと周りは再び静寂に包まれた




「茜ちゃん、ここ図書館だってこと忘れてたでしょう?」



「えへへ・・・・ごめんなさい~だって嬉しくってさ・・・・早く莉子に知らせて色々計画
練ろうと思って急いで来ちゃったもんだから、ホントにごめん」




涼くんが呆れたように話しかけると茜ちゃんは申し訳なさそうに静かな声で謝った



そんな茜ちゃんが可愛くってあたしは思わず笑ってしまった