「えっ!蓮兄卒業したらアメリカに行くの!?な・・・なんで?」



「卒業したらお父さんの輸入食品の店手伝いながら英語の勉強するの・・・」



「ちょ・・・・ちょっとまって!莉子、順序立てて最初っから話して!」



お昼休み中庭で玲奈ちゃんと茜ちゃんとお弁当を広げながらあたしは蓮のことを話していた



来年アメリカに行くことと一年間離れ離れってことも、その間連絡も取ることは駄目



もちろん逢うことだって駄目!一年間気持ちが変わらなければ結婚を許してもらえること



そのことを二人に告げると隣に座る玲奈ちゃんはお茶をぐいっと飲み干して急に怒り出した


「一年もの間離れ離れだなんて・・・・日本ならまだしもアメリカだなんて!莉子ちゃんのお父さん人を好きになったことがないの?ふたりのことを試してるとしか思えないんだけど!」



「試してるのかも・・・・」




「茜ちゃん・・・・・?」



茜ちゃんが少し考えこむようにして呟いた



そんな茜ちゃんを見るのは珍しくてあたしはお弁当をそっとしまうと茜ちゃんに向き直った



「こう言ってはなんだけど莉子って一般人でしょ?蓮と結婚するってことは極道の世界に足を
踏み込むことになるのよね、ってことはいいことばかりじゃなくってリスクも付きまとう・・
お父さんは二人の気持ちと覚悟を試してるんだと思うんだよね・・ふたりの気持ちが本当のものなら一年位離れててもなんでもない・・・・な~んてね」



「茜ちゃん・・・・」



「あたしの家も極道の世界にいるからわかるの・・・これでも極道の家に嫁いだらってことで
小さいときから色々教育されてきたし・・・だから蓮がそう決めたのなら相当の覚悟を決めて
アメリカに行くと決めたんだと思う、まあ、この際離れているからって泣いて暮らすより一年間花嫁修業でもして蓮のこと待ってたら?」



茜ちゃんの言葉で玲奈ちゃんも納得したのかしきりに頷いていたけど・・・・花嫁修業って
いいかもしれないけどなにをすれば?



どうせなら蓮の役に立つことをしたい・・・・あたしはそんなことを漠然と思っていた