「来る者拒まず去る者追わず・・・・女を覚めたような目で見ていた東條組の若頭が


一人の女に溺れてるってな、目の覚めるような美人だが遊び人とも噂の高い女子高生


極道の間じゃどんな女なのかみんな興味深々らしい・・・・」




「そんな・・興味深々って・・・それに・・・遊び人ってあたし遊んでないし」




思わず俯いてぼそっと呟くあたしの頭をくしゃっと撫でる



これが蓮の癖なのかあたしは蓮に頭を撫でられると心がほっこりして胸が温かくなる




世間のあたしの噂にどうしたらいいのか分からなくて蓮の手をぎゅっと握りしめた



「俺のことはなんて言われても構わねえけど莉子のことああだこうだ言われんのは


我慢できない・・・・けど、莉子のこと部屋に閉じ込めて置くわけにもいかねえし


お前のこと守るためにも護衛をつけること許してもらわねえと俺が安心できねえし・・・



つうか・・・莉子は俺と一緒にいるとこんなことばっかだぞ?それでも俺は・・・



莉子を離してやることなんてできねえんだ・・・・」



蓮の顔がいつの間にか息がかかる位近くにあった



握りしめた手が熱くなるのを感じる



あたしはただ黙って頷いた



あたしも蓮のことを手離すことなんて出来ないから・・・・



必要としているから・・・・あたしは蓮の心の拠り所でありたい


「あたしも離れるなんてこと・・・・してやんない」




蓮はあたしの言葉に目を見開くと微笑みを浮かべてゆっくりと抱きしめた