「慎ちゃんはたまたまやりたいことが早くみつかって結果が出ただけ・・・・


慎ちゃんは慎ちゃんだし・・・蓮は蓮だからまるっきり同じには出来ないし



だからと言って慎ちゃんに劣っているとかってことじゃない・・・



蓮だって必ずやりたいことが見つかると思うし、焦ることはないと思う



まあ・・・東條組は継がなきゃいけないのかもしれないけどそれに縛られる



こともないと思うし、だからとりあえず目の前にある紗枝子さんところの



研修頑張ってみたらいいんじゃないかなって思う」




「莉子・・・・・お前」




「だって、あんな高級ホテルで研修だなんてすごくいい経験だと思う


蓮にとってプラスになることはあってもマイナスになるってことはないと思うよ



だから・・・・」




蓮はあたしが言い終える間もなく急に抱きしめてきた



背中をぽんぽんと子供をあやすように撫でてくる



それだけであたしの心は蓮で一杯になった



「ありがとうな・・・・格好悪いけど莉子に弱音吐いてよかったよ

お前に元気もらったしいろんなことに気付かせてもらったような気がする・・・・」



蓮はあたしを抱きしめる手をゆっくりと離すと額に唇が触れた



周りに響くリップ音



「れ・・・蓮!!」



「やっぱり莉子はいい女だ・・・」




真っ赤になるあたしを見下ろして蓮が呟く



熱に浮かされたかのように顔が蒸気してどきどきが止まらなかった