振り返ると長髪を無造作に結わえて前髪を掻き分けながら笑いかける慎ちゃんで・・・



イケメンって水に濡れててもカッコいいんだ




なんて変なところで感心してしまって色気たっぷりな慎ちゃんにちょっとどきっとしてしまった





「こらこら、あんまり行くと二人とも帰って来れなくなるぞ!」




「慎ちゃん・・・・」「龍音寺さん・・・・」




「玲奈ちゃん、今度苗字で呼んだら浮き輪捨てちゃうけど・・いいかな?」




「え?それは駄目です!りゅ・・・・じゃなかった慎くん・・」




「ふっ・・・・まあいいか?じゃあ、二人とも俺が引っ張っていくからちゃんと掴まっててよ」




慎ちゃんはそう言うと浮き輪に付いているロープを握りしめすいすい泳ぎだした




海岸近くに行くとあたしたちを捜している蓮たちの姿が目に入る




泳いできょろきょろあたりを見回していたけれどあたし達の姿を見るなり血相変えて泳いでこちらに来る三人の姿が見えた




「莉子!・・・・」




「「莉子ちゃん・・・・・玲奈ちゃん」」




目の前には息を切らした蓮の姿




ちらりと見えた慎ちゃんの横顔は見たこともないくらい怖い顔で蓮を見つめていた