「片山さん・・・・何がどうなってんだよ、あんた茜ちゃんと二股かけてんのかよ最低だな」




「拓巳の言うとおりですね・・・程々にしないとそのうち刺されますよ」



それまで黙っていた拓巳くんと涼くんが言葉を放つ



冷ややかな涼くんの言葉に空気もなんだか冷たくなったような感じだ



すると二階に駆け上がる茜ちゃんを見ていた片山さんが拓巳くんたちに向き直った




「二股なんてする訳ないやろ、あいつは昔俺が付き合ってた女や・・・・色々あって別れたんやけど突然俺の留守中にマンションに来たらしくってな・・・いい迷惑や」



「おい・・・・」




蓮の声が突然リビングに響く



つかつかと片山さんの前まで行くと突然胸倉を掴んで低い声で話し出した





「茜は俺の大事な幼馴染だ・・・・又、泣かせたりしたら警視総監の息子であろうと俺が容赦しねえ、その女てめえでなんとかするんだな・・・」




「わかっとる・・・・茜は俺の大事な、俺だけの女だ」




「その言葉忘れんなよ」



蓮は掴んでいた胸倉をそっと離すとあたしの手を掴み二階へと駆け上がって行く



恋愛って難しいな・・・・・そう思わずにはいられないくらい険しい顔をした片山さんの表情がとても気になって仕方なかった