へたり込んで座りこむあたしを見るなり凄い力で抱きしめる蓮



後ろからは黒スーツの組員さんが駆け寄り中年男の傍に寄るとしゃがみ込んで男の顔を覗きこんだ




「若・・・・!この男どうします?」



「警察に電話して来てもらえ!」




「は?警察っすか?」




「酔っぱらって莉子を襲おうとしたことは許しがたいがこれだけ酔っぱらってたら下手すると
何にも記憶にねえかもしれねえ・・・生憎酔っ払いの相手をしているほど暇じゃねえし警察に連絡したら公園のベンチにでも転がしとけ、場所言えば警察が保護してくれるだろ」




蓮がそう言うと組員さんは早速警察に連絡したみたいだ



てきぱきと組員さんに指示をする蓮をぼーっと見つめる



あたしはなんだか放心状態で蓮に抱きしめられたままその場に佇んでいた



「蓮・・・・どうしてここに?帰ったんじゃなかったの」



「ああ・・・・莉子が携帯忘れたから届けようと思って戻ってきた」



蓮はあたしの身体をゆっくり離すと携帯をそっと掌に置いて微笑んだ



「忘れたら困ると思って・・・・お前、車ん中でメールしてたらいつの間にか眠ってただろ
ちゃんと持ってったと思ってたら車のシートに落ちてた・・・・でも、間に合ってよかった
俺が来なかったらお前どうしてたんだよ」



「か・・・・噛みつこうと思って・・・でも蓮が来てくれたから・・・」



知らず知らずのうちに声が震えていたんだろう



蓮はそんなあたしに気付くとくしゃくしゃっと頭を撫でた