「そんなこと言ってられるのも今のうちよ!男なんて綺麗な花を見れば引き寄せられる蝶みたいなもの・・・・あたしは男の言葉なんて信じないんだから!航、あたし気分が悪いから先に帰る」



「お・・・おい!陽子!」



航さんの妻の陽子さんはそう捲し立てると持っていた花を航さんに押し付けた



ヒールを鳴らして足早に去っていく妻を慌てて追いかける航さん




あたしたちを一瞥するとありがとうと一言言い残すと花を抱えたまま走り去っていく




その姿は尻に敷かれている夫そのままで・・・・



っていうか、墓参りしにきたんじゃないの?



あたしは呆気にとられて走り去る二人を見つめた



蓮も同じことを思ったようで・・・




「墓参りしに来たんじゃねえのかよ・・・・ったく」




蓮の舌打ちが聞こえてきてあたしは苦笑い



思わず蓮の胸に頬を寄せると額に触れるようなキスをしてきた



「尻に敷かれんのも無理ねえか・・・・航さんの病院奥さんの実家から多額の融資受けてるらしい、だからそのせいもあって頭が上がんねえのかもな」



奥さんの実家から多額の融資って・・・蓮そんなことまで調べたんだ



改めて東條組の力に感服、蓮の隙のない行動力も感服したあたしだった