「な・・・・なんだお前・・」



「汚い手で触るんじゃねえぞ!俺の女に何か用か?てめえらよっぽど死にてえみてえだな」




黒スーツの組員さんを数人従えて目の前に現れた蓮



Tシャツにジーンズとラフな格好をしているにも関わらずそのオーラはやっぱり東條組の若頭




こんな目で睨まれたらどんな男でも後ずさりしてしまうほどの怖さ




やっぱり蓮は東條組の跡取りなんだなって改めて思った




金髪の男の掴んでいた手があたしの腕から離れるのが解るとゆっくりと近づいて抱きしめてきた




「ごめん・・・・渋滞にはまって遅くなった、大丈夫か?」




「うん・・・・大丈夫」



ゆっくりと髪を撫でる蓮の手から伝わる言いようもない安心感



蓮の胸に抱かれながら心が穏やかになるのを感じていた



「お・・・おい!てめえ横から突然しゃしゃり出てきて一体なん「やべえよ、こいつら東條組のやつらだ!早く逃げたほうがいいぞ!」」




男の一人がそう言うと脱兎のごとく走り出す



呆気にとられるとはまさにこのこと




あたふたと走って行く男達をあたしは黙って見つめていた