Dear~親愛なる君へ~

そんな祈りも虚しく、「ちび」はどんどん弱っていった。
だんだん 散歩にも行かなくなり、体を触るだけでも痛がるようになった。

何かの病気だった ということは聞いたが、詳しいことは分からない。

それでも、「ちび」は、私が近づくと、小さく尾を振ってくれた。

私は悔しかった。
「ちび」が苦しんでいるのに、何も出来なかった。
体を撫でてあげることも出来なかった。
「ごめんね」
そう 言うことしか出来なかった。

それからしばらくすると、祖母が「しばらくは来なさんな」そう言ってきた。

『死ぬんだ』

こどもながらにそう思った。