瑠夏の問いかけに私は待ってましたと言わんばかりに、朝あった出来事を話した。
「ーーーでね!すっっごい失礼だと思わない!?!信じられない。」
写真を撮られたこと、名前を尋ねられたこと、それに対して名前を尋ね返したら面倒臭い呼ばわりされたこと。
「でもね、すっごく腹が立ったんだけどね、」
“瞳の色が青くってすっごく綺麗なの”
彼を語る上で、外せないもののような気がした。
実際あの時のことを思い出すと真っ先に思い浮かぶのは、私をまっすぐ見つめるコバルトブルーの瞳だった。
でも、すぐそこまででかかった言葉は、すんでの所で喉の奥に留まる。
それをただの興味で瑠夏に話すことが何故かできなくて。
きっと彼が、望まないと思った。
私の青の瞳に対する好奇心が見えた時の、彼の明確な嫌悪感。
ただ単純に綺麗だと思っただけなんだけどな…。
私はあの目がきっと好きなんだ。
本人には凄く腹がたつのに、何故かあの瞳だけは依然として私の中に美しいものとして焼き付いていた。
