「京太ぁっ!!帰るぞ!!」 図書室の入口から先輩の友達と思われる人が呼ぶ。 「おう、わかった。じゃあまたね!!優ちゃんっ」 先輩は笑顔で手を振り、小走りで出ていった。 ガラッとドアが閉まると、また静寂が戻る。 グラウンドからカキーンと高い金属音が響き、はっと我に返った。 「はっ、早く見つけないとっ」 慌てて本を探し出し、図書室を飛び出した。