暗い道を抜けて、
大通に出た。


いつもここで拓海とは別れる。






「ありがとう」

拓海にバッグを貰おうと
肩に手を伸ばす。




「ちっちぇな」

バカにするように笑う拓海。



「なっ!!?それは拓海が高すぎるんだよっ!!」

軽くジャンプするが届かない。

それもそのはず拓海は180cm、
私は156cmしかない。




「はいはい。ま、牛乳でも飲んで背伸ばせよな」

"ほれ"とバッグを渡す。



「おっとっ、」

やっぱりバッグは重たくて、
体がふらつく。




「大丈夫か?い…「大丈夫だよっ?!全然平気っ。」

拓海が言う前に言い返す。




「あぁ、そう。まっ…………よ」

「えっ?なんて言った?今」


車が通り、何と言ったか聞こえなかった。



「なっ、何も言ってねぇよ!
じゃあなっ」


私に早々と背を向けて歩き出す。


「またねっ」

最後に叫ぶと、背を向けたまま
手を挙げてくれた。




それを確認すると私も歩き出した。